ワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)申請開始へ。最初の一歩、最初の5カ国+2か国

新型コロナウィルス関連情報

ウィズコロナ時代の旅について考えるミッドパックの旅行情報サイト「たびひと」です。外務省は7月21日、ワクチン接種証明書を取得・提示することによって、入国制限が緩和もしくは免除になる国・地域の一覧を発表しました。当初の予想よりも対応国はだいぶ少ない印象ですが、国と国の間の取り決めは「相互主義」が基本です。日本人が外国入国の際に制限が緩和・免除になるということは、相手国の渡航者も日本へ入国する際は、制限が緩和もしくは免除にならないと「相互主義」にはなりません。現在の日本の水際対策(出国72時間前のPCR検査陰性証明書の取得と入国後14日間の自宅待機要請)は厚生労働省が管轄していますが、この日本の水際対策が緩和もしくは免除にならない限り、諸外国も日本のワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)の効力自体を簡単には認めないと思われます。各国と交渉を続ける外務省は、この片手落ちの状況の中で相当苦労しているはずです。

日本国内での感染拡大が落ち着き、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除になり、国民へのワクチン接種が広く行き渡らない限り、厚生労働省は日本の水際対策を緩和もしくは解除することを検討することは無いでしょう。

今のところワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)は、その効力の1割も効果を発揮できない状況にあると言えます。

ワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)とは何? 海外旅行再開に向けて、今後非常に重要になる書類。

外務省が発表したワクチン接種証明書使用可能国一覧 第1弾

国・地域名概要
イタリア欧州医薬品庁(EMA)が承認したワクチン(ファイザー・モデルナ・アストラゼネカ・J&J)を規定回数接種し、少なくとも14日以上経過していることを証明するワクチン接種証明書を所持すれば、入国後10日間の隔離と隔離終了後のPCR検査を免除される。イタリアでは各国の感染状況の度合いに応じ、国別にリストAからリストEまでカテゴリー分けをしており、日本はアメリカ・カナダ・オーストラリアなどと同じリストD国に指定されている。なお、入国前に居所情報を登録するデジタルフォーマット「dPLF」の事前登録を義務化している。詳しい情報はこちら
オーストリアオーストリア当局が承認したワクチン(ファイザー・モデルナ・アストラゼネカ・J&J等)を規定回数接種していることを証明するワクチン接種証明書を所持すれば、入国制限がなくなり、渡航目的を問わず入国が可能。オーストリア当局により、日本はリストA国に指定されている。オーストリアに入国する72時間前までにオンライン事前登録システム「PTC(プリトラベルクリアランス)」への登録が必要。詳しい情報はこちら
トルコワクチン接種後14日以上経過していることを証明できるワクチン接種証明書を所持すれば、入国前検査証明及び隔離措置は免除される。搭乗前の72時間以内にトルコ保険省が指定する「入国フォーム」に情報を登録することが必要。詳しい情報はこちら
ブルガリア現在、ブルガリア政府は出発国を感染状況に応じて「グリーンゾーン」「オレンジゾーン」「レッドゾーン」の3通りに区別し、入国の際に必要な条件を設定している。日本は「オレンジゾーン」に指定されており、ワクチン接種証明書を所持すれば、入国後の10日間の自己隔離義務は免除される。詳しい情報はこちら
ポーランド詳細不明。現在ポーランドでは、全ての入国者に対し10日間の隔離措置を行っており、シェンゲン加盟国以外の国からの渡航者に対しては、48時間前のPCR陰性証明書の効力も無効となっている。また、在ポーランド日本大使館では、「現在、日本政府は、ポーランドについて感染症危険情報のレベル3を発出し、ポーランドへの渡航中止を勧告しておりますので、ご注意下さい。」と、コメントしている。ただし、外務省のホームページを参照すると、「EUによる承認済みのワクチンを規定回数接種し、14日間が経過した証明書(英語又はポーランド語)があれば、隔離措置は免除となる。」との文言があることから、今回特例的に日本人の入国条件が緩和された模様。渡航予定者は在日ポーランド大使館へ要確認のこと。
韓国感染拡大が止まらない韓国では、日本同様に入国後14日間の隔離義務など厳しい水際対策が継続中である。現在も日本国籍者に対する査証免除措置(ビザなし渡航)は停止中であり、特別な目的がない限り入国自体認められていない。韓国では2021年7月1日から①重要な業務上の目的 ②学術・公益目的 ③人道目的に限り、14日間の隔離を免除される措置が発表になっており、査証申請及び隔離免除書の発行手続きの際に必要な書類としてワクチン接種証明書が認められた。
エストニア旧ソビエト連邦の一部だったエストニア。ワクチン接種証明書の使用可能国があまりに少ないため、外務省が賑やかしで加えたとしか思えない国だが、外務省のコメントは次の通り。「日本の新型コロナワクチン接種証明書を認証するとしていますが、同国は現在、入国後の隔離及び入国時のPCR検査についてワクチン接種の有無にかかわらず不要としています。」日本からはヘルシンキもしくはワルシャワ経由で首都タリンへ入ることが出来るが・・・。

日本の水際対策は継続中です。

前段でも触れましたが、日本の水際対策は継続中です。帰国時のPCR陰性証明書の取得と帰国後14日間の自宅待機要請はまだ解除になっていません。ワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)が発行されても、現状ではほんの数カ国が入国条件を緩和しただけであり、この証明書が多くの国で有効になるまでには、まだ相当時間がかかりそうです。また、帰国時の水際対策が緩和されるのにもかなりの時間が必要になるでしょう。

ウィズコロナ時代の海外渡航は、容易なものではありません。

内閣官房副長官補付・新型コロナウイルスワクチン接種証明推進担当が発表した、ワクチン接種証明書に関する案内に興味のある方はこちらの書面を参照してください。

海外渡航情報は絶えず変化しています!

新型コロナウィルス感染状況の変化により、日本のみならず、世界中の国々が頻繁に隔離政策や出入国情報を変更・訂正しているのが現状です。当サイトでは最新の情報をお伝えするべく、日々情報の更新を行うよう努めておりますが、各国政府の政策発表がその更新スピードを上回るケースも見受けられます。実際に海外へ渡航する予定のある方は、外務省・厚生労働省・法務省・在外日本国大使館・JETRO・JICA・各国の政府観光局・利用予定航空会社などが発表する最新情報を必ず確認していただき、絶えず情報を修正することを強くお勧めします。理由の如何に関わらず、当サイトに掲載されている情報によって生じるいかなる損害についても、編集人および運営会社は責任を負わないものといたします。

特集記事

最近の記事

  1. JALとANA、2023年8月以降の燃油サーチャージ発表。2社間の料金乖離が鮮明に。

  2. ANA羽田空港国際線、第2ターミナルの運用再開へ

  3. 米国、入国制限解除へ。ワクチン未接種者も入国可能に。

  4. 日本の水際対策、緩和から撤廃へ。ワクチン未接種者も陰性証明書不要に。

  5. JALとANA、2023年6月以降の燃油サーチャージ発表。1段階値下げへ

  6. 【2023年4月最新版】東南アジア7カ国、入国条件・検疫制限について

よく読まれている記事

  1. 1

    日本の空港。空港施設利用料の消費税区分について

  2. 2

    免税タバコ、2021年10月1日より免税範囲(免税数量)改定。日本帰国時の免税タバコの持ち込みには注意が必要。

  3. 3

    タイ・バンコク、入国制限緩和へ。11月1日より日本人も隔離措置なしで入国が可能に。

  4. 4

    【2022年8月最新版】海外から羽田空港へ到着時の検疫審査の流れと所要時間について

  5. 5

    【2022年11月最新版】愛煙家必読!東南アジア諸国喫煙規制一覧

  6. 6

    羽田空港 国際線ターミナル(第3ターミナル)の今 空港内店舗の営業状況について

TOP